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溶けた骨を再生するGTR法(歯周組織再生誘導、組織再生誘導法)


治療前(GTR法)
GTR法治療前
黒く写っている部分が骨のない状態

歯周病が進行すると、歯を支えている骨が溶けてなくなることは既にご存じだと思います。従来の治療では、歯周ポケットを減少させたり歯肉の炎症を消失させたりする事は可能でしたが、なくなった骨を再生することはできないとされていました。また、歯肉の炎症がなくなった結果、歯茎が下がり歯が長く見えるようになってしまうなど、審美的な欠点もありました。そのため、これ以上歯周病を進行させないようにしましょうというものが治療の目的でした。

これらの欠点を補い、歯周病で破壊された歯の周りの組織を再生させ、歯を健康な状態に戻す方法が開発されました。

GTR法(Guided Tissue Regenration)と呼ばれる方法です。この方法は歯を支える支持組織である歯根膜や歯槽骨を再生させようとする方法で、歯肉の高さも維持できるとされています。基本的には生体の再生能力を利用するもので、歯周組織が再生しやすいような環境を作るための手術法です。

治療後(GTR法)
GTR法治療後
白っぽく見える部分が
骨が再生されている状態

歯周病で失われた歯の周りの組織は、その原因である歯垢や歯石を除去して患部を新鮮な状況にしてあげれば再生すると考えられています。しかし、単に清潔にしただけであると歯肉組織の再生が先行してしまい、必要な歯根膜や歯槽骨の再生が妨げられてしまいます。そこで、骨のなくなった歯根と歯肉の間にゴアテックスなどでできた特殊な膜をおいて、歯肉組織の侵入を防ぎ、必要な歯周組織が再生する空間を確保してあげようと云うものです。通常、4〜6週程度で膜を再度、取り除く手術が必要になるとされています。

従来の、歯周外科処置と術式は基本的にはほぼ同様ですがゴアテックス等の膜を固定し、且つ、手術部位に食物などが入り込まないように緊密に閉鎖する必要があるため高度な技術が必要です。また、膜を固定する位置が適切であることや膜を歯肉で完全に覆う必要があるため、骨の破壊のされ方が複雑な形であったり、歯肉が硬く膜を充分に被覆するまで伸展できない場合など、状態によっては適応が難しい場合もあります。

最近では、2次手術を避けるためにゴアテックスなどの代わりにコラーゲン膜や合成高分子膜など数週間で自然に吸収され、膜の除去手術が必要ない方法も採用されつつあります。自然吸収性の膜の使用は2次手術を回避できるのが大きな利点ですが、術後感染を起こした場合にはただちに全ての膜を除去する必要があります。

この方法は健康保険が適応されない手術法ですが、一部の大学病院等では高度先進医療として治療費の一部が保険給付されるところもあります。基本的には歯周病専門医やGTR法など、歯周病に関して経験豊富で専門的な訓練を受けた先生に相談されるのが良いでしょう。当然のことながら、あなたの歯に適した方法であるのか、正しく判断できることが最も重要です。

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