■□■ 蛇足(だそく)の意味 ■□■
役に立たない余計なものを付け加えること。
■□■ 蛇足(だそく)の逸話 ■□■
中国戦国時代、楚(そ)の国が斉(せい)の国に攻め込もうとしたとき、調停役を買ってでた陳軫(ちんしん)という人物が、楚の司令官、昭陽(しょうよう)を説得するために用いた逸話。
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むかし、ある屋敷に住んでいた領主が、祭礼の日、屋敷の家来に大杯になみなみと注いだ一杯の酒を振舞った。
家来たちは喜んだが、考えてみると皆で分けて飲むには少なすぎる。
家来A:
「じゃあこうしよう。
今からこの地面にみんなで一斉に蛇の絵を描く。
で、描くのが一番早かったヤツがこの酒を独り占めだ。」
その意見に賛同した家来たちは、合図とともに蛇の絵を描き始めた。
…そして数分後。
家来B:
「よし!見ろ、蛇だ蛇!描き終えたぞ!
オレ様の勝ちだー!
ん?…ハハッ、オマエらまだそんなとこまでしか描いてねーのか。
断トツじゃん、オレ。
なんか楽勝過ぎてつまんねーな。
よし、オマエらがもたついてる間にオレなんか足まで描いちゃう。
ふんふ〜ん、ふふ〜ん…
ほらできた。見て、蛇に足。」
…そんなことをしてる間に、他の家来が蛇を描き終えた。
するとその家来はすくっと立ち上がり、ずんずんと家来Bのもとへ歩み寄ると、有無を言わせず持っていた酒の入った杯を奪い取った。
家来B:
「あ!ナニすんだおんどりゃー!
オレ様が勝ったんだからその酒はオレ様のだぞ!
返しやがれっ!」
家来Bが食って掛かると、酒を奪った家来は冷たい目線で、キッパリとこう言い放った。
家来C:
「蛇に足はなし。
貴様の描いたその奇天烈な生き物は蛇にあらず。
最初に蛇を描き上げたのは我なり。
酒はいただく。」
そう言うと、家来Cは一気に大杯の酒を飲み干してしまった。
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陳軫:
「あなたは宰相、楚の国では最高位にいる方だと伺っています。
そのあなたが斉を討ち取ったところで、それ以上の地位は望めないでしょう。
それどころか、もし敗れでもしたら、あなたは責任を取らされ今の栄光を全て失うことになるかもしれません。
まさに、蛇の絵に足を描き加えるようなものです。
それよりも兵を引き上げて、ここは斉に恩を売っておいたほうが後々のためにも得策ではありませんか。」
それを聞いた昭陽は大いに納得し、兵を収めると楚に帰っていった。
(2006/5/11掲載)