第8回:人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)
■□■ 人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)の意味 ■□■
人生の吉凶、禍福は予想できない。
目先の出来事でやたらと喜んだり、悲しんだりしても仕方がない。
■□■ 人間万事塞翁が馬(じんかんばんじさいおうがうま)の逸話 ■□■
中国は昔、国境の塞(さい:砦のこと)の近くに、占いの上手な翁(おう、おきな:おじいさんのこと)が住んでいた。
ある日のこと、翁が飼っていた1頭の馬が逃げていなくなってしまった。
近所の人:
「馬のこと聞きました。残念でしたね…」
翁:
「何じゃと。この事が幸福に転じないと言えんのかい。
言い切れんのかい。どーなんじゃー!」
近所の人:
「…」
すると数ヶ月後、いなくなった馬が、素晴らしい名馬も一緒に連れて帰ってきた。
近所の人:
「すごいですね!おじいさんの言った通り、馬が逃げたことで
こんな幸せが訪れるなんて!」
翁:
「何じゃと。この事が不幸に転じないと言えんのかい。
言い切れんのかい。言い切ってみせんのかい。どーなんじゃー!」
近所の人:
「…」
翁の家は良い馬に恵まれたが、そのおかげで乗馬好きの息子が乗馬中に落馬し、股を骨折する大怪我を負ってしまった。
近所の人:
「またおじいさんの言った通り、名馬が手に入ったことで
息子さんにとっては気の毒なことになりましたね…」
翁:
「何じゃと。この事が幸福に転じないと言えんのかい。
言い切れんのかい。言い切ってみせんのかい。
それはもう見事に言い切ってみせんのかい。どーなんじゃー!」
近所の人:
「…」
1年後、大きな戦争が起こった。従軍した者の10人中9人が戦死してしまうような激しい戦いだったが、翁の息子は、足を悪くしていたため兵役を免れ、親子ともども無事だった。
近所の人:
「…なんか納得いかねぇ。」
(2006/4/20掲載)